経験価値マーケティングで価格競争からの脱却 セミナー復習その4

公開日:  最終更新日:2015/08/16

5月22日堺商工会議所にでセミナーを開催しました。
タイトルは「個人顧客ををターゲットとする 売れる営業戦略伝授セミナー 
〜価格競争はそろそろ終わりにしませんか〜」

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参加者の95%が満足されたセミナーです。

ここではセミナーを振り返り大切なことを復習します。
今回のセミナーでは4つの重要ポイントを説明しました。
1 既存市場での競争に勝つ新たな方法はあるのか?
2 価格競争からの脱却はあるのか?
3 「モノ」ではなく「コト」を売るとは?
4 戦略の本当の意味「戦わないで勝つ」

今日は「3 「モノ」ではなく「コト」を売るとは?」についての前半です。

なぜ価格競争がおこるのか?
それは、コモディティー化が原因です。
コモディティー化とは、競合する商品同士の差別化特性(機能、品質、ブランド力など)が失われ、
価格や買いやすさだけを理由に選択が行われること。
機能や品質面で大差のない製品が多く流通し、消費者にとって「どの会社のものを買っても同じ」状態になること。
これによって、同様の商品同士での価格競争が起こり薄利提供が続くことになる。

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下記の図はパソコンの出荷台数と価格の年次グラフです。
この図からわかるようにパソコンの集荷台数は今や頭打ちで、価格は低下の一途をたどっています。
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このように技術の革新によって製品の付加価値がもたらされ価格が上昇しますが、ある一定のラインを超えるとそれ以上機能が良くなっても価格に反映できなくなります。
最近の家電などはまさに典型的な例です。

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バーンド・H・シュミット氏の著作「経験価値マーケティング」には
物を売るのではなく経験や価値を売ることによって新たな価値を創造できると記されている。

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経験価値マーケティングの具体的実例としてスターバックスを紹介します。
スターバックスの創業者ハワード・シュルツ氏はコーヒー売るのではなく「コーヒーを買う」という体験そのものに価値を提供することに成功しました。
当時のアメリカでは1ドルでアメリカンコーヒーを飲み放題というのが常識でした。
味も香りも特別なものな何もなく、ただ薄いコーヒーを飲むだけのありふれたことだったのです。
ハワード・シュルツ氏はイタリアでの出張の際に、イタリアで出会ったカフェでの体験に衝撃を覚え、このカフェスタイルをアメリカで創ることを決意。

コーヒーを五感で楽しむ新しい体験を提供することに挑戦しました。

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●見る
スターバックスは、店舗内は全て落ち着いた配色にしてリラックスした印象を与えるように心がけているのです。

●嗅ぐ
 店舗内を全て禁煙にしたり、従業員は香水を禁止にしたりとコーヒーの香りを楽しんでもらうために徹底してコーヒー以外の匂いを出さないようにしています。

●聞く
 スターバックスは提供するコーヒーをエスプレッソ・マシーンから抽出している。エスプレッソ・マシーンの音を聞いて、コーヒーが提供されるまでの時間を楽しんでいただけます。

●味わう
 コーヒーで使用される豆にはこだわりがあり、コーヒースペシャリストによって選び抜かれた豆のみを使用する徹底ぶりです。
●触れる
 消費者が店舗に訪れた際に触れる部分にも油断はありません。店舗の床は全てストレートな質感になっていたり、インテリアは全てシアトルの本社で揃えたものを使用しています。

そして、ついにコーヒーを買うという体験そのものに価値を創ることに成功しました。

海外の事例だけでなく日本の事例も紹介します。

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行動展示の元祖 旭山動物園です。
かって旭山動物園は閉園の危機にさらされていました。
入場者が毎年減少の一途をたどり経営危機が迫っていました。
これは、旭山動物園だけでなく日本中の動物園に共通する危機でした。
動物園は子供が遠足などで行く場所であり、大人がわざわざ行く場所でないと一種の見捨てられた状態でした。
そこで旭山動物園がこの現状を打破するために、従来の動物園から「命の輝きを伝える博物館」に大改革しました。
檻の中にいる動物をただ見学するのではなく、「顧客の知性や好奇心に訴えかける経験」を提供することを最重要課題にしました。
そのためには、ただ動物を見せるのでなく、動物の様々な行動を見てもらうための見せ方の工夫をたくさん考え実践しました。
その結果、旭山動物園にはたくさんの大人たちが入園するようになり、命の輝きを伝える博物館は大成功をおさめました。
動物園では日本初の経験価値マーケティンの成功事例です。

スターバックスと旭山動物園の事例紹介を通じて、経験価値マーケティングの概略については理解できたかと思います。

価格競争からの脱却はあるのか?
そのヒントは「経験価値マーケティング」です。
物を売るのではなく経験や価値を売ることによって新たな価値を創造することです。

次は「3 「モノ」ではなく「コト」を売るとは?」についての後半です。
町の米屋でもできる経験価値マーケティングの実例です。

株式会社ファイブスター 代表取締役 金山義則

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